いすゞ ビッグホーン UBS52 1981-1987
2006年 HISTORIC4x4GRAFFITI掲載
小型4×4ステーションワゴンへの序章
4×4の新たな時代、 そして一大ブームを予感させた’81年
彗星のごとく現れたいすゞ初の本格クロカン4×4は
四駆に対する価値観を変えた、 画期的なモデルだった
ファミリーユースを狙った小型車枠のクリーンなデザイン
70年代までは、四駆といえばランクル、サファリ、ジープという時代。ところが、’80年代に入ると、事情はかなり変わってくる。これまでの実用作業車から発展したクロカン一辺倒の4×4から、レジャービークルとしての要求が高まり、ステーションワゴン的な快適性と、クロスカントリー性能を併せ持った4×4が次々に台頭してくることになる。
その新時代ともいえる’80年代の幕を開けたニューモデルが、いすゞ初のクロスカントリー4×4、ロデオ・ビッグホーンだった。
デビュー当初のラインナップはショートバン、ロングバン、ソフトトップの3タイプ。すべて商用車登録の2ドアモデルではあったが、スクエアな専用ボディーは、明らかにファミリーユースをもターゲットとしてデザインされたものだ。
ボディーサイズを小型車枠内に収められながらも、グラスエリアを大きく取ることによって非常に明るく、また当時としては異例に広々とした車室内を実現していた点も、高く評価されていた。
シャーシーの基本をロデオと共用したことで、フロントサスはダブルウィッシュボーン+トーションバースプリングとなっていた。ピックアップを除けば、この手の四駆としては初の採用になり、オフロードでの走りにも、なかなか高い評価を与えられたモデルだったのだ。
ターボディーゼルの投入 そしていよいよ4ドア車もデビュー
ロデオ・ビッグホーンがデビューした翌年、1982年には最大のライバルであるパジェロが登場。いすゞも1984年にはショート、ロングに5ナンバーのワゴンを設定し、2リッター・ガソリンとディーゼルターボを投入。このとき、車名から「ロデオ」を外すことになった。
そして1985年、ライバルのパジェロにもっとも後れを取っていたポイント、ロングボディー車の4ドア化がついに果たされた。ピックアップから派生し、4×4ステーションワゴンを目指したビッグホーンにとっては、ここが再スタートと言っても過言ではなかった。
さらに5速MTや83リットル入り燃料タンクの採用など、大幅に改良。また、発売当初のノンターボのディーゼルではあまりに非力で、ターボディーゼルが搭載されても、4速MTではパワーを引き出しきれなかった。しかし、この5速MTの採用で、ターボディーゼルはその性能をいかんなく発揮できるようになったのだ。従来と同じエンジンとは思えないほどよく走るようになったビッグホーン。装備やバリエーションも少しずつ充実してきた。
しかし、4×4ステーションワゴンの世界は、よりラグジュアリーな方向を目指すようになる。
ビッグホーンもさらなる進化を求め、1987年には角形異形ライトを採用したUBS52へと発展していくことになる。
ターボディーゼル+5MT搭載、ロングボディー4ドア化で
パジェロに真っ向対決を挑んだ

丸いライトにタテ格子グリルと、ちょっと初代レンジローバー的な雰囲気もあるビッグホーン。この頃はオーバーフェンダーもなく、本来の端正さを保っている。

スラントしたダッシュのデザインが特徴的なインパネまわり。 センターの3連メーターは水温計、 燃料計、 油圧計となっている。

スクエアな断面を持つボディーは広い室内空間を確保。シートを寝かせて、フラット化することもできた。

’84年の改良時に追加設定されたC223ディーゼルターボエンジン。それまでのNAディーゼルに代えて、ビッグホーンのメインエンジとなった。

足元もゆったりしたリアシート。ワゴンモデルとなって、十分なクッション厚も確保されている。

サイドサポートが盛り上がったフロントシートを採用し、カタログでは「バケットシート」と謳っていた。

ダッシュには時計を配置せず、なぜかフロアコンソールボックスの前部に液晶時計を組み込んでいた。

SOFT TOP/UBS52CS ビッグホーンのもっともワイルド&スポーティーなタイプとして、デビュー当初から設定された幌屋根仕様。UBS55移行時に廃止された。

irmscher-R/UBS55FM ビッグホーンのスペシャルバージョンといえばコレ。オペルとの関係が深かったドイツのチューナー、イルムシャーをGM つながりで起用。MOMO製ステアリング、レカロシートが標準装備された。

Special Edition by LOTUS/UBS17FW もうひとつのスペシャルバージョンは、ご存じロータスによるサスペンションチューニング・バージョン。濃緑系の塗装にゴールドのラインが施されている。
SPECIFICATIONS
- 車名/年式: いすゞ・ビッグホーン(UBS52FW)/1985年
- 全長×全幅×全高: 4,450 × 1,650 × 1,800mm
- ホイールベース: 2,650mm
- トレッド: 前/1,385mm 後/1,345mm
- 最低地上高: 225mm
- 車両重量: 1,600kg
- 乗車定員: 5名
- 形式: 水冷直列4気筒OHV ディーゼルターボ
- 総排気量: 2,238cc
- 内径×行程: 88.0 × 92.0mm
- 圧縮比: 21.0:1
- 最高出力: 87PS/4,000rpm
- 最大トルク: 18.7kgm/2,500rpm
- 燃料/タンク容量: 軽油/83L
- トランスミッション形式: 5速MT
- 変速比: 1 速: 3.785/2 速: 2.171/3 速: 1.413/4 速: 1.000/5 速: 0.855
- 駆動方式: パートタイム4 × 4
- 副変速比: Hi : 1.000 Lo : 1.87
- 最終減速比: 4.555
- ステアリング形式: ボール・ナット式(パワーアシスト付き)
- サスペンション 前: ウィッシュボーン式トーションバー
- サスペンション 後: リジッドアクスル式リーフスプリング
- 主ブレーキ: 前: ベンチレーテッドディスク 後: ベンチレーテッドディスク
- タイヤサイズ: 215SR20
- 車両本体価格: 2,139,000円(当時)



