2006年 HISTORIC4x4GRAFFITI掲載

名車ヨンマルを超えるのが使命

トヨタ自動車が図った海外戦略の先鋒として素晴らしい実績を残したヨンマル
ナナマルはその発展モデルとして生まれてきた、いわば次男坊だが兄に恥じない性能と耐久性を以て、現在も世界中で広く活躍してる

全てのパーツと意匠には理由がある 70の美しさは機能美の集合体

 1960年から約4半世紀、ランクル・ブランドを牽引してきたヨンマルシリーズが引退し、1984年に新生ナナマルシリーズが登場した。

 車種構成はヨンマル時代と同様、ショートホイールベース車とミドルホイールベース車に大別され、前者にはソフトトップとハードトップ、後者にはFRPトップがラインナップされた。なおショートホイールベース車には70型、ミドルホイールベース車には73型のコードネームが与えられた。

 実はこのナナマル、余りにも永く愛され続けた「ヨンマルスタイル」の存在があっただけに、新型デザインについてトヨタ社内でも大いに論議を呼んだモデルだったのだ。

 半ば独立したフロントフェンダーと40風グリルを見ると、過去へのこだわりに映るが、実はこの意匠こそ、この4×4に脈打つ意思が表現されている。ボディーの見切りの良さや、クラッシュ時に破損率の低い寄り目ヘッドランプは、必要にして伝承された経緯があるのだ

 ソフトトップのBJ70 は、曲面のウインドゥスクリーンを倒し、サイドドアのウインドゥフレームとリアドアのガラスサッシを外せば、写真のようなフルオープンが可能だった。しかもビルトイン式ロールオーバーバーは、ぱねるこうぞうながら断面の大きさや内部補強、加えてマウント部の強化により、パイプ型以上の強度を持っていた。形だけに終わらないところが、ナナマルにふさわしい装備だった。

ナナマルに与えられたボディー剛性は走りを軽やかに感じさせてくれる

 イグニッションキーを捻ると、3B-II型エンジンはスーパーグローシステムによって一発で目覚める。

 静かにクラッチペダルを踏み、丁寧にフライホイールにクラッチプレートをミートさせると、BJ70は思いのほか上品にスルスルと動き出す。ヨンマルにあったエンジンの武者震いや重々しさは影を潜め、「足どりも軽やかに」といった感じで走り始めるのだ。

 ラフに入ると、ボディーのソリッド感が際立つ。モノコック・ボディーに通じるその剛性感は、フルウェルダーで接合された全閉断面構造のラダーフレームによるところが大きい。さらにスカットル、Aピラー以後のボディー構造はほとんどモノコック・ボディーで、フロアとルーフ以外のパネル面はボックス・セクションを成し、全体が強固な二重箱構造で作られているのも要因となっている。なおボディー構造に使用される鋼板厚が1ミリというのは、ナナマルファンとしては見逃せないウンチクだろう。

 明らかにオーバークオリティーだったBJ70の脚、シャーシー、ボディーそしてパワートレインは、ランクルがランクルであり続けるため、当然のように要求された性能であり、ナナマルはその全てを引き継いでいたのだ。

ジープ、ヨンマルクラスのタフネスさと走破性を持ちながら
誰もが抵抗なく操れる4 × 4 が「ナナマル」だった

ヘビーデューティーな4 × 4 は、ヘビーデューティーな人しか乗れなかったが、懐の広いナナマルは、多くのユーザーを受け入てくれたモデルだ。


ワイルドなスタイルや鉄板むき出しのインテリアは、逞しい男達ばかりでなく、女性や子供たちにも人気があった。


BJ70には、40系と60系に搭載されていた3.5リッターB型ディーゼルエンジンの強化版、3B – II型を採用。改良内容は主要なもので5指を超えた。

WAGON SX5/LJ71G ’85年末、前後にコイル・リジッドサスを採用した、5ナンバーランクルワゴンが登場。エンジンはハイラックスに搭載されていた2L-T 型で、いわゆる「ナナマル」とは異なる存在として認識されていた。後のプラドに発展したモデル。

BJ73V FRP MODEL BJ70よりホイールベースが290mm 長いBJ73Vは、リアの居住性を確保するため、室内高のあるFRPトップを採用。スタイリッシュで人気も高かった。

BJ70V VAN MODEL ショートホイールベースのBJ70には、メタルトップのBJ70Vがラインナップされており、STD グレードに加えてLXも設定されていた。

SPECIFICATIONS

  • 車名/年式: ランドクルーザー 70 系 2ドアソフトトップ(BJ70)/1984年
  • 全長×全幅×全高: 3,975 × 1,690 × 1,905mm
  • ホイールベース: 2,310mm
  • トレッド: 前/1,415mm 後/1,410mm
  • 最低地上高: 210mm
  • 車両重量: 1,740kg
  • 乗車定員:  2(5)名
  • 形式: 水冷直列4気筒OHV ディーゼル
  • 総排気量: 3,431cc
  • 内径×行程: 102.0 × 105.0mm
  • 圧縮比:  20.0 :1
  • 最高出力: 98PS/3,500rpm
  • 最大トルク: 23.0kgm/2,200rpm
  • 燃料/タンク容量: 軽油/90L
  • トランスミッション形式: 5速MT
  • 駆動方式: パートタイム4 × 4
  • 副変速比:  Hi : 1.000 Lo : 1.960
  • 最終減速比: 4.111
  • ステアリング形式: ボール・ナット
  • サスペンション 前: リジッドアクスル式リーフスプリング 
  • サスペンション 後: リジッドアクスル式リーフスプリング
  • 主ブレーキ:  前: ベンチレーテッドディスク 後: リーディングトレーリング
  • タイヤサイズ: 7.00-15-6
  • 車両本体価格: 1,684,000円(当時)