2006年 HISTORIC4x4GRAFFITI掲載

絶対的ファンに支持される1/1TOY モデル

ビィーイーン!ポロンポンポン!と軽やかなエンジン音を響かせて走るSJ
小さく非力な2ストジムニーは見る者を裏切り、難度の高いステージをクリアする
軽さとバランスの良さがオフロードで最強であることを教えてくれたモデルだ

軽だ2ストだとか侮るなかれ 並みじゃ太刀打ちできないオフ性能

 世界でも唯一の2ストローク3気筒エンジンを搭載する4×4といえば、ジムニーSJ30しか存在しない。その走りは独特で、極悪な地形でもわずか28PSの出力を最大限に活かし、軽量な車体を左右に揺らしながら走り抜けてしまうのだ。64PSのジムニーが発売されている現在でも、トライアルシーンで生産終了から18年を経た老兵SJ30が活躍しているのを見れば、その実力をうかがい知ることができるだろう。

 そのジムニーは1970年に360ccのLJ10型として登場し、同じく360ccのLJ20、550ccのSJ10と移り変わり、1981年にここで紹介するSJ30が発売された。

 SJ30は現役の6年間に3回のマイナーチェンジを受けており、 マニアの間ではSJ30を1型から4型まで区別して語られている。

 とにもかくにも、ジムニーのSJと言えば2ストエンジンに話が終始する。SJ30に搭載されたLJ 50型エンジンは、圧縮比やポートタイミングに若干の違いがあるものの、LJ20に搭載されたL50型エンジンに1気筒追加したエンジンとみて良い。

 2ストローク3気筒エンジンは、振動の面から見ると4ストローク6気筒エンジンに匹敵し、同じ3気筒4ストローク車に比べれば、吹き上がりも滑らかさも一枚上手である。また構造が簡単なので、エンジン単体重量が62kgと軽量。つまり前後軸のバランスがとりやすいエンジンなのだ。

トルク感は全く希薄だがピーキーなパワー特性が光った

 フライホイール径を大きめにとり、その慣性重量を利用して低回転時のエンジンを安定させているSJ30は、2ストロークエンジンの特徴である立ち上がりの鋭さに欠け、1テンポ遅れた感のある吹け上がりを見せる。それでも走行中にアクセルを開くと、どの回転域からでも気持ちよく吹け上がる。さすがに登坂中など、高負荷を強いられる場面ではパワー不足を否めないが、このいつでも吹け上がるエンジン特性は、クロスカントリー走行時にありがたい。エンジンのパワーを引き出せる適切なギアさえ選択すれば、アクセルペダルの動きにエンジン回転がリニアに反応してくれるからだ。

 SJ30をオフロードで元気に、そしてラフに運転できる理由のひとつに、レブリミットに対する許容度が大きいLJ50型エンジンが挙げられる。それはバルブ機構がないからで、限界はあるもののヒルクライム前の助走時などは、エンジン回転が落ちることを前提に、すこしオーバーレブ気味の回転でアプローチするなどという芸当も見せてくれる。ただし2ストロークの欠点である、エンジンブレーキの効きの甘さには注意が必要となる。

 と、言ったようにSJ30にはそれなりの癖もあるのだが、それを活かした走りをすれば、素晴らしい走破性を発揮する。その走りは、軽量、バランスこそ4x4最強の武器であることを証明してくれる。

コツを飲み込めば自在に操ることができた2ストジムニーは
トライアル用やセカンドカーとして乗り続けられている

初期型のSJ30-FM より重量は増しているものの、走らせれば軽快そのもの。SJ30の持つ味は薄れていない。

運転中にうっかり指を突っ込んで抜けなくなったり、 という話があった穴あき 3 本スポークは 3 型で廃止された。 写真は4型。

3〜4型に採用されたアウトサイドミラー。SJ30は1型、2型、3〜4 型と3タイプものミラーが存在する。

ロールバーはLJ10-2型の時代からオプション設定されていたが、 残念なことに車検をクリアすることはできない。

ディパーチャーアングルを小さくするリアのナンバープレート。ナンバーをリアゲートに移設するユーザーも多かった。

高級モデルに装着されたリブタイヤのサイズは6.00-16と、非力なSJ30でも回すことができたサイズだった。

スラントされた縦置きLJ50 型エンジンが、いかに小さなユニットだったか分かる。

JA11C ’90 年に行われた軽自動車規格の改正で、ジムニーに660ccF5A型エンジンが搭載された。型式はJA11で、現在でも人気の衰えないモデルだ。

SPECIFICATIONS

  • 車名/年式: ジムニー550 フルメタルドア JM (SJ30/1983年
  • 全長×全幅×全高: 3,195 × 1,395 × 1,690mm
  • ホイールベース: 2,030mm
  • トレッド:  前/1,190mm 後/1,200mm
  • 最低地上高: 240mm
  • 車両重量: 735kg
  • 乗車定員: 4名
  • 形式: 水冷直列3気筒2サイクルガソリン
  • 総排気量: 539cc
  • 内径×行程: 61.0 × 61.5mm
  • 圧縮比:  6.2:1
  • 最高出力: 28PS/4,500rpm
  • 最大トルク: 5.4kgm/2,500rpm
  • 燃料/タンク容量: 無鉛レギュラーガソリン/40L
  • トランスミッション形式: 4速MT
  • 駆動方式: パートタイム4 × 4
  • 副変速比:  Hi : 1.741 Lo : 3.052
  • 最終減速比: 4.777
  • ステアリング形式: ボール・ナット
  • サスペンション 前: リジッドアクスル式リーフスプリング 
  • サスペンション 後: リジッドアクスル式リーフスプリング
  • 主ブレーキ:  前: ディスク 後: リーディングトレーリング
  • タイヤサイズ: 6.00-16-4PRLT
  • 車両本体価格: 850,000円(当時)