2006年 HISTORIC4x4GRAFFITI掲載

地味なロデオに強心臓が与えられた

荷を積むピックアップにはそれほど要求されなかったエンジンパワーだが
パーソナルユースになった途端、乗用車並みの加速と高速性が要求された
遅ればせながら、ロデオも110PSの強心臓でシェア奪還に走った

先駆者としての意地で
巻き返しを図ったピックアップ

 ピックアップ4×4のパイオニアが、このロデオの前身ファスター・ロデオ。アメリカではシボレーLUVとして販売され、FRPシェルを載せたモデルもラインナップされるなど、国産クロカン4×4の方向性を決定付けたモデルだった。

 その後、ロデオの販売が振るわなかったのは、パワー不足のエンジンや特注扱いだったダブルキャブ、そして実用ユーザーを意識した低いスタイルが原因だった。

 ’88年に発売されたロデオは、それらが改善され、ミューに似たボディーデザインとジェミニのインパネ、そしてビッグホーンに搭載されていた強心臓を備え、国産ピックアップ4x4最強モデルとなっていた。

インパネデザインは、いすゞの乗用車ジェミニと共通のもので使い勝手は良かった。

’79 年に発売された、国内初の4×4ピックアップファスター・ロデオ4x4。

ピックアップがトレンドだった頃

 アメリカに根付いているピックアップ文化は、長い年月の積み重ねによって作られたもの。

 一方、国産4 × 4 ピックアップが発売されてから四半世紀を経た日本はというと、日常生活に入り込む余地がないため文化形成はされなかった。が、’ 80年代には、小さいながらもピックアップブームがあった。

 ひとつはハイライダーブームで、ハイリフトしたピックアップに乗った若者達が渋谷の公園通りに集まり、話題となった。またトライアルやオフロードレースにピックアップで参加するエントラントも目立った。改めて振り返ると、そのころが全盛期だったようだ。

土曜日の夜、渋谷の公園通りにあるドーナツ店前に集合した若者たち。

トライアルシーンにもスポーティーなピックアップが度々姿を見せ、会場を盛り上げていた。

SPECIFICATIONS

  • 車名/年式: ロデオ 4WD スーパーダブルキャブ(TFS55HD)/1988年
  • 全長×全幅×全高: 4,905 × 1,690 × 1,680mm
  • ホイールベース: 3,025mm
  • トレッド: 前/1,390mm 後/1,400mm
  • 最低地上高: 210mm
  • 車両重量: 2,425kg
  • 乗車定員: 5名
  • 形式: 水冷直列4気筒OHVディーゼルターボ
  • 総排気量: 2,771cc
  • 内径×行程: 93.0 × 102.0mm
  • 圧縮比: 17.5 : 1
  • 最高出力: 110PS/3,600rpm
  • 最大トルク: 23kgm/2,300rpm
  • 燃料/タンク容量: 軽油/53L
  • トランスミッション形式: 5速MT
  • 駆動方式: パートタイム4WD
  • 副変速比:  Hi : 1.000 Lo : 2.283
  • 最終減速比: 4.300
  • ステアリング形式: ボール・ナット(パワーアシスト付き)
  • サスペンション 前: ダブルウィッシュボーン式トーションバースプリング 
  • サスペンション 後: リジッドアクスル式リーフスプリング
  • 主ブレーキ:  前: ベンチレーテッドディスク 後: リーディングトレーリング
  • タイヤサイズ: 215R15
  • 車両本体価格: 1,830,000円(当時)