LAND ROVER 1970-1994
元祖、街乗りオフローダー
時速95 マイル(約 150km/h)で走れるオフロードカーとして登場するや
世界中にセンセーションを巻き起こした初代レンジローバー
そのコンセプトの先見性、時代を先取りした設計は
その後24 年間もモデルチェンジしなかったことが証明している
新機軸ロードローバーを開発
しかしワゴニアが一枚上手だった
第二次世界大戦後、ローバー社が開発した四輪駆動車「ランドローバー」は、農耕馬に代わる農作業車として大ヒット作となった。そしてその後、戦争の痛手から立ち直った上流階級のユーザーから、新たな要求が起こった。「オフロードで力強く走り、オンロードではサルーンのような乗り心地を味わえる」、4×4エステートカーを求める声だった。
この声に応えるべく、’52年に試作車「ロードローバー」を完成させたのだが、ほどなく強力なライバルが出現。ジープ・ワゴニアである。性能もスタイリングもワゴニアが優れていることを知ったローバー社は、このモデルの開発を一時中止、さらなる技術の修得に務めることになった。
満を持してレンジローバー発売
究極のオン・オフ両用車と賞賛
70年、満を持して発売されたレンジローバーこそ、ロードローバーのコンセプトを受け継ぐ4×4エステートカーだ。悪路走破性と快適な乗り心地を両立させるため、前後にコイル・リジッドを採用。特にリアサスは、Aアームを用いた独特の形状で、驚異的なホイールストロークを生みだしている。オフロードでは常にタイヤと路面が接していることが重要と認識していた開発者は、柔軟なサスペンションを与え、それを最大限に活用するために頑丈かつ最適な形状のフレームをも与えた。
エンジンはもともとG M のビュイックが開発したアルミ製のV8。ローバー社が製造権を買い取り、レンジローバーの他、ローバー3500などの乗用車にも搭載されたものだ。3528 の排気量で135HP/28・3 mというスペックは、アルミボディーで1724と軽量な車体に対し、充分な性能を有していた。
現在のレンジローバーは、本革やウッドを贅沢に使った豪華な内装を持つ高級車だが、初代レンジは、目に入るほとんどがプラスチックやビニール製で、シンプル極まりない内装だった。実用的なステーションワゴンとして作られたことがよく分かる。
運転席と助手席の間には、フロアトンネルが大きく盛り上がっている。オフロード走行で邪魔にならないよう、パワートレインを極力持ち上げて室内に食い込ませたことによるふくらみだ。ここに4速MTのシフトレバーと、センターデフロックのノブ、トランスファーレバーが並ぶ。

ボディー外板にアルミを使用するのはランドローバー以来の伝統だが、レンジローバーでは表面の歪みはほ

高級SUV の代名詞になったレンジローバーだが、初代のインパネはプラスチックが多用され、実用一点張

鉄バンパーに縦スロットのプレスグリルがクラシカルな味わいを醸しだしている。全体の雰囲気は現行車に

現代のSUV に通じるコンセプトが、35 年も前に完成していたことに驚く
オンロードでは極上の乗り心地
オフの走破性はL/R譲り
インパネやウエストラインが低く、着座位置が高いのは、ランドローバーから受け継いだ伝統。アクセルを踏めば、頼もしい排気音とともに車速も忠実に上がっていく。アクセルのオン/オフで、軽いバックラッシュの音とショックを感じるのは、その後もローバー社の4×4が共通して持っていた数少ない欠点と言える。
サルーンの乗り心地を目指しただけあって、路面の継ぎ目を越える程度なら、車内にほとんどショックが伝わらない。逆にハイスピードのコーナリングでは、ボディーが大きくロールして恐怖を感じてしまう。視界が広すぎて路面が近くに見えてしまうのも、その恐怖の一因だ。
フルタイム4×4なので、特別な操作なしにオフロードに進入できる。リーフスプリングのクルマなら天井に頭をぶつけそうなギャップも、オンロードと変わらない乗り心地で走り抜ける。Lレンジにシフトすれば、トルクフルなエンジンと長い脚により、モーグル地形でも楽々とクロウリングできる。抜群の路面追従性を誇る脚まわりは、厳しい地形でわざと起伏の激しいラインを通っても、なかなか限界を見せない。外からタイヤの動きを見ていると、まるでアクスルが外れているかのよう

ウッドも本革もナシの質素なインパネ。シフトレバーの根本に小さなセンターデフロックノブ、その隣にハイ/ローを切り替える

荷室の床は標準では鉄板剥き出し。スペアタイヤは荷室内にセットされるが、205R16 と細身なので

シートベルトはシート本体にアンカーが備わる。シート生地はビニール地で、クッションはかなりボリューム

アルミ製のV8 エンジンはもともとビュイックが開発したもの。排気量は3,528ccで、135bhp / 28.3kgm

T 字型の黒い筒がエアクリーナーケースで、中にペーパーフィルターが収まる。キャブレターは4 気筒にひ

ブレーキの片利き防止と同時に、緊急時の安全性を確保するため、2 系統のブレーキラインを備えてい

サスペンションは四輪コイル・リジッド。フロントアクスルは、鍛造製リーディングアームとパナールロッ

リアアクスルは中空パイプのトレーリングアームとA アームで支持される。オフロードでの路面追従性を重
SUPECIFICATIONS
- 車名/ 年式 ランドローバー・レンジローバー/1973 年
- 全長×全幅×全高 4,470 × 1,780 × 1,780mm
- ホイールベース 2,540mm
- トレッド 前/1,480mm 後/1,480mm
- 最低地上高 190mm
- 車両重量 1,724kg
- 乗車定員 5 名
- 形式 水冷V 型8 気筒OHV
- 総排気量 3,528cc
- 内径×行程 88.9 × 71.1mm
- 圧縮比 8.5 : 1
- 最高出力 135bhp/4,750rpm
- 最大トルク 28.3kgm/3,000rpm
- 燃料/ タンク容量 無鉛レギュラーガソリン/81.5l
- トランスミッション形式 4 速MT
- 変速比 1 速4.069/2 速: 2.448/3 速: 1.505/4 速: 1.000/ 後退: 3.664
- 駆動方式 フルタイム4 × 4
- 副変速比 Hi : 1.174 Lo : 3.321
- 最終減速比 3.540
- ステアリング形式 ボール・ナット
- サスペンション 前: リジッドアクスル式コイルスプリング
- 後: リジッドアクスル式コイルスプリング
- 主ブレーキ 前: ディスク 後: ディスク
- タイヤサイズ 205R16
- オンロードでは極上の乗り心地
- オフの走破性はL/R譲り
- インパネやウエストラインが
- 低く、着座位置が高いのは、
- ランドローバーから受け継いだ
- 伝統。アクセルを踏めば、頼
- もしい排気音とともに車速も忠
- 実に上がっていく。アクセルの
- オン/オフで、軽いバックラッ
- シュの音とショックを感じるの
- は、その後もローバー社の4×
- 4が共通して持っていた数少な
- い欠点と言える。
- サルーンの乗り心地を目指し
- ただけあって、路面の継ぎ目を
- 越える程度なら、車内にほとん
- どショックが伝わらない。逆に
- ハイスピードのコーナリングで
- は、ボディーが大きくロールし
- て恐怖を感じてしまう。視界が
- 広すぎて路面が近くに見えてし
- まうのも、その恐怖の一因だ。
- フルタイム4×4なので、特
- 別な操作なしにオフロードに進
- 入できる。リーフスプリングの
- クルマなら天井に頭をぶつけそ
- うなギャップも、オンロードと
- 変わらない乗り心地で走り抜け
- る。Lレンジにシフトすれば、
- トルクフルなエンジンと長い脚
- により、モーグル地形でも楽々
- とク



