Jeep CJ-7 1975-1980
2006年 HISTORIC4x4GRAFFITI掲載
アメ車の象徴「V8」を積んだジープ
「アメ車」というキーワードから連想されるものと言えば
「フルサイズ」、「ソフトな乗り心地」、そして「V8」あたりだろう
4×4のシンボルとも言えるジープの中にも
V8を搭載したモデルが存在した
5リッターV8を積んだCJ-7
中でも「金の鷲」は憧れの的
5リッターV8を搭載したCJシリーズは、CJ-7とCJ-5があり、CJ7のV8は1976年から’81年まで生産された。日本では、’79年頃、愛知県の老舗輸入車ディーラー「中京リース(現RV INN CHUKYO)」が正規代理店となっており、生産終了までの間に400台以上も輸入された。
ボンネットに大きな金の鷲が描かれたゴールデンイーグルは、CJシリーズの上級グレード。当時約500万円の車両本体価格が付けられ、多くの四駆ユーザーにとって憧れの的となったモデルだ。
現行のジープ・グランドチェロキーにもV8が搭載されているが、CJ-7のV8は全く趣が異なる。「滑らかさ」「静かさ」がウリの現代のV8は、確かに速くて快適だが、面白みには欠ける。CJ-7のV8は、荒削りな機械そのもの。きちんと暖機しないと機嫌を損ね、メカニカルノイズもデカい。オートマなら少しはマシだが、MTは、アクセルをふかしてラフにクラッチをつなごうものなら、たちまちホイールスピンを起こしてしまう。もっとも、ジャジャ馬で、乗りこなすのが難しいからこそ、男として征服してやろうという願望が生まれ、惹きつけられるのだろう。
この辺りの感覚は、MBやCJ3A、M38など、オリジナルサイズのジープにはない。快適さを追って肥大化したCJ-7には賛否両論あろうが、ことV8に関しては、否定的な意見が思わず引っ込んでしまうほどの魅力がある。
太いトルクで街乗りラクラク
現代でも充分通用する快適さ
CJ-5はソフトトップのみだが、CJ-7には、ソフトトップとFRP製ハードトップの2タイプが設定されていた。ハードトップも取り外すことができ、オープンにすれば豪快なV8サウンドが堪能できる。
最高出力150HPというスペックは、この時代の4×4としては、ケタ違いにハイパワーだったはずだが、現代においては「速さ」を感じることはない。しかし、5リッターもの排気量が太いトルクを生みだし、確実に走りに余裕を与えている。とにかく乗っていてラクチンなのだ。オートマ、パワステ、エアコンが備わったCJ-7なら、現在でも充分にファーストカーとして通用する(ただし家庭持ちは除く) はずだ。

3速AT はコラムシフトとなる。ステアリングはパワーアシストが強く働き、片手でクルクル回せるのがアメ車らしい。

CJシリーズの上級グレード「ゴールデンイーグル」。ボンネットに大きく描かれた金の鷲のデカールに憧れたファンも多い。

中京リースによって正規輸入されたCJ-7には、ランクル40用のウインカーが装着されていた。

荒削りで豪快なV8の走りが魅力。これぞ古き良きアメリカの象徴。
先進のクォドラトラックも
オイルショックには勝てなかった
CJ-7のトランスファーは、パートタイム4×4が基本となる。しかし、’77〜’79年式の3速AT車には、フルタイム4×4の「クォドラトラック」が組み込まれていた。
イージードライブを目的としたフルタイム4×4には、一輪が空転しただけで走行不能に陥るという弱点がある。クォドラトラックは、センターデフにLSDを内蔵し、さらにセンターデフロック機構も設けることで、その弱点を解消。走破性にこだわるジープに相応しい機構と言える。今でこそ同様の機構は珍しくなくなったが、当時としては最先端のメカニズムだった。
’79年に世界を襲った第二次オイルショックにより、燃費面で不利なフルタイム4×4や大排気量車は次第に市場から姿を消していくことになる。CJ-7のV8搭載車は’81年まで生産されたが、その後、CJの後継車となるラングラーYJやTJにV8エンジンが搭載されることはなかった。言うなれば、CJ-7のV8は、古き良きアメリカ最後のジープ。もうこんな豪快なジープが生まれることはないのだろうか。


ミリタリーからシビリアンユースへと転身を図ったジープだが、インパネまわりのメカニカルなデザインに機能美が感じられる。

スピードメーターはキロ表示とマイル表示を併記。当時の日本の法規に従い、後付けの速度警告ブザーが100km/hでなる。

シンプル極まりないシート形状。シート生地はなんとリーバイス製だ。’80年式以降はフロントがバケットタイプとなる。

2ペダルのオートマだが、パーキングブレーキが足踏み式で、ヘッドランプのハイ/ロー切り替えも足で行うため、意外に煩雑。

オフロードをカンガン走ってもへこたれないリーフ・リジッドの前脚。飛び出したステアリングギアボックが弁慶の泣き所だった。

中京リースの輸入車は、標準の4枚リーフではなく、オプションのヘビーデューティータイプ(7枚リーフ)が装着された。

’78年式の標準エンジンは3.8リッター直6だが、オプションで4.2リッター直6と5リッターV8が用意された。一番人気は当然V8。

ハードトップモデルでも、FRP トップとドアは脱着可能。
スペアタイヤは本来背面のスイングキャリアに付く。
SPECIFICATIONS
- 車名/年式: ジープ・CJ-7 ゴールデンイーグル/1978年
- 全長×全幅×全高: 3,757 × 1,742 × 1,791mm
- ホイールベース: 2,375mm
- トレッド: 前/1,367mm 後/1,328mm
- 最低地上高: 175mm
- 車両重量: 1,640kg
- 乗車定員: 2(4)名
- 形式: 水冷V型8気筒OHV
- 総排気量: 4,982cc
- 内径×行程: 95.3 × 87.4mm
- 圧縮比: 8.4 : 1
- 最高出力: 150HP/4,200rpm
- 最大トルク: 33.8kg-m/2,500rpm
- 燃料/タンク容量: 無鉛レギュラーガソリン/58.7L
- トランスミッション形式: 3速AT
- 変速比: 1 速:2.481 / 2 速:1.481 / 3 速:1.000 / 後退:2.076
- 駆動方式: クォドラトラック(フルタイム4×4)
- 副変速比: Hi : 1.000 Lo : 2.570
- 最終減速比: 3.540
- ステアリング形式: ボール・ナット
- サスペンション 前: リジッドアクスル式リーフスプリング
- サスペンション 後: リジッドアクスル式リーフスプリング
- 主ブレーキ: 前: ベンチレーテッドディスク 後: デュオサーボ
- タイヤサイズ: 9.00-15
- 車両本体価格: US$6,443 〜8,397 (当時)



