三菱パジェロV系 1991-1999
2006年 HISTORIC4x4GRAFFITI掲載
先進技術満載の八方美人
ユーザーの声を積極的にクルマづくりに取り入れる
そんな三菱が2代目のパジェロでやりたかったのは
誰にも負けない革新性でリーダーシップをとること
そして’90年代はまさに、この4 × 4が牽引した時代であった
新しい技術を大量投入し
革新性でランクルを圧倒
ランドクルーザー80の衝撃的なデビューからおよそ1年後の1991年1月、80を上まわる激震とともに二代目パジェロが誕生した。時はまさにバブル期の絶頂にあり、アウトドアブームも手伝ってRVと呼ばれる4×4が次々に登場。そんな賑わいの中での真打ち登場であった。
激震というのは、その革新性のこと。80では従来技術を熟成させたものが多かったが、パジェロは違った。パワートレインやシャーシーに盛り込まれた数々のメカニズムはもちろん、エクステリアやインテリアの細部に至るまで、新しい発想に基づく装備が散りばめられていたのだ。
とりわけ熱が入っていたのは4×4としての機能。フルタイム式のようにセンターデフを備えるが、パートタイム式のように4×2も選択できるというスーパーセレクト4WDは、レー一本でセレクト可能な簡易操作を実現。また、油圧で車高を上げて悪路走破性を高めるグラウンドクリアランスコントロールも国内初採用。そしてこれらによる走りを、どんな走行モードでも有効に働く4輪ABSが安全面から支えた。
全身すべてが新開発新設計のパジェロには、2ドアショートでメタルトップとJトップ、4ドアロングでミッドルーフとキックアップルーフ、合計4つのボディーが用意された。こうしてパジェロはあらゆるユーザーを納得させるだけのスキのないラインナップを固めたのであった。
改良されたふたつのエンジン
性格が異なる4つのボディー
唯一、2種類のエンジンだけは全面刷新こそ見送られたが、細部に至る改良は忘れられていなかった。
例えばガソリンエンジン。3リッターV6の6G72型は、吸排気系がチューンされ広範囲にわたってフラットなトルクを発揮するようになった。一方、人気のディーゼルは4D56型で、2.5リッター直4のインタークーラー付きターボ。形態は先代同様だが、ターボチャージャーのコンプレッサーとインタークーラーはそれぞれ容量アップが図られた。出力の向上にともない、冷却システムにも大幅な改良の手が入っている。
走りはボディー形態によって性格の異なるものだった。2ドアショートのメタルトップは、シリーズ中最もスポーティーな運転感覚。ボディーの挙動がよく抑えられ、スピード走行を得意とした。このメタルトップのルーフ半分を幌に換え、大径18インチタイヤを履いたJトップは、オフロードでのパフォーマンスを第一に考えた性格が自慢。4ドアロングは、標準タイプのミッドルーフと、2列目シート以降の天井を持ち上げて荷役性を高めたキックアップルーフだ。それぞれ落ち着いた乗り心地が特徴のラグジュアリー仕様だった。
2代目のパジェロはこの後、主にエンジンの改良が繰り返され、3代目にバトンタッチした後も多くのユーザーに長く愛された。それは数々の独自技術や装備がユーザーの生活にマッチしていたからにほかならない。
革新性に満ちあふれた技術の洪水
間違いなく’90年代を代表する4 × 4

18インチの細身大径タイヤを履くJ トップ。その名が示すようにJeep の走りを受け継ぐ異色の存在。スーパーセレクト4WDとグラウンドクリアランスコントロールで、まさに鬼に金棒。

オフロードでのタフな走りを予感させるインパネ。 センター部の 3連メーターは電子コンパスを内蔵するなどつくりも本格派。

上級グレードでは本革シートも装備。アームレスト付きで背もたれと座面は電動で調整できる。

2ドアモデルでも後席の空間はタップリで、定員5名は現実的。 助手席側からのウォークインもしやすい。

Jトップの幌は荷室にスッキリ格納できる。パジェロの開発陣は、機能だけでなくスタイルにもこだわった。


左: 3リッターV6エンジンは吸排気系の抵抗が見直され回転のなめらかさを追求。右: 2.5リッターのディーゼルではターボの性能が高められた。

4速ATでは、シフトレバーの使用頻度が低いため、4WDのセレクターを運転席に寄せられていた。

5速MT はセンターコンソール中央からシフトレバーが延びる。左側はスーパーセレクト4WDセレクター。

ホイールベースの短いメタルトップは険しいオフロードももちろん守備範囲。見切りの良いボディーがありがたい。

オールマイティーなミッドルーフはファミリーワゴンとして大活躍。パジェロを高級車としての地位を押し上げた。

ルーフ後半が盛り上がったキックアップルーフは積載容積がタップリ。個性的なスタイルでファンを獲得。
SPECIFICATIONS
- 車名/年式: 三菱パジェロ メタルトップワイド XR- II(V24WG)/1991 年
- 全長×全幅×全高: 4,030 × 1,785 × 1,815mm
- ホイールベース: 2,420mm
- トレッド: 前/1,465mm 後/1,480mm
- 最低地上高: 225mm
- 車両重量: 1,770kg
- 乗車定員: 5名
- 形式: 水冷直列4気筒OHCターボディーゼル
- 総排気量: 2,476cc
- 内径×行程: 91.1 × 95.0mm
- 圧縮比: 21.0:1
- 最高出力: 105PS/4,200rpm
- 最大トルク: 24.5kgm/2,000rpm
- 燃料/タンク容量: 軽油/60L
- トランスミッション形式: 4速AT
- 駆動方式: フルタイム4 × 4 (スーパーセレクト4WD)
- 副変速比: Hi : 1.000 Lo : 1.925
- 最終減速比: 4.875
- ステアリング形式: ボール・ナット式
- サスペンション 前: ダブルウィッシュボーン式トーションバースプリング
- サスペンション 後: 3 リンクリジッドアクスル式コイルスプリングスプリング
- 主ブレーキ: 前: ベンチレーテッドディスク 後: ディスク
- タイヤサイズ: 265/70R15
- 車両本体価格: 2,828,000円(当時)



