Jeep Cherokee 1974-1984
2006年 HISTORIC4x4GRAFFITI掲載
これぞアメリカン4×4の粋な姿
他の乗員を喜ばせるために四駆に乗るなんてナンセンスだ
趣味で選ぶクルマだからこそ、スタイルや雰囲気にこだわるべし
ジープ・チェロキーからはそんな主張がひしひしと感じられる
V8のフィーリングにシビれ、スタイルに酔う。そんな四駆だった
ワゴニアの2ドア版として登場
ラレードは豪華装備の上級仕様
ジープ・チェロキーのベースとなったワゴニアは、それまでのウイリス・ユーティリティーワゴンに代わる、全く新しいタイプの4×4ステーションワゴンとして1962年にデビューした。当初2ドアと4ドアが存在したが、’60年代後半に2ドアモデルが姿を消してしまう。そして’74年、ワゴニアの兄弟車として2ドアのチェロキーが登場したのである。
エンジンは標準が4.2リッター直6、オプションで5.9リッターV8(キャブレターは2バレルと4バレルが選べた)、6.6リッターV8が用意されていた。’77年には4ドアモデルが追加され、2ドアにワイドホイールバージョンが加わる。その他、ワゴニアに標準設定の「クォドラトラック(フルタイム4×4)」がオプション設定(V8のみ)されていたり、ミッションはマニュアル/オートマが選べたりと、かなりのバリエーションがあった。
取材車両は’81年式の2ドア、ワイドホイールのラレード。ラレード(LAREDO)とは、数々のオプション類をパッケージ化した豪華仕様車で、モール類やフロアカーペットなどの内外装、間欠ワイパーやライト消し忘れ警告ブザーといった細かい機能装備などによって標準車との差別化が図られている。オーナーの好みにより、電動ウインチやスチールバンパー、2インチ程度のリフトアップ、タイヤ・ホイール換装といった変更を受けている。しかし、基本的にはこの時代のチェロキーが持つ独特の雰囲気や味は損なわれていない。むしろノーマル車以上に、当時のアメリカン4×4の匂いを感じさせる仕様と言えるだろう。

時代を感じさせる凝ったインパネ。操作系レイアウトは運転者中心で、助手席からはヒーターの操作すらできない。

4×4ステーションワゴン、ワゴニアの兄弟車として登場したチェロキー。車名は、ネイティブアメリカンのチェロキー族に由来。

平面と曲面を組み合わせて、優雅さを演出しながらも力強さを失っていないリアまわりのデザイン。リアガラスは電動昇降。太いCピラーも外観上の特徴となる。

無駄にデカい図体、使い勝手の悪い2ドア。でもそれがカッコ良いのだ。

スムーズなV8にシビれる
カッコ良さ最優先で作られた車
ドロドロと腹の底に響くアイドリング音。市街地では爪先でちょっとアクセルを押しているだけで、充分に交通の流れに乗れる。ここぞとばかりに踏み込めば、ひと呼吸置いたキックダウンとともに、意外にスムーズな回転の上がり方をしつつ、あっという間に先行車に追いつく。荒々しくドカンとくるパワーの出方を想像していたが、ジワジワとトルクが湧き出てくる感覚だ。
重厚なV8サウンドだけでも充分にシビれてしまうが、トルクバンドが広く、どんな低回転域からでも力強く加速していく余裕は、非常に魅力的。古いクルマにありがちな気難しさがなく、神経を遣わずに走れることも素晴らしい。もっともこれは、オーナーが日頃から愛情を注いできた結果でもあるから、どんなチェロキーも一緒ではないだろう。
ばかデカい図体のクセに2ドアだから、リアシートに乗り降りするにも、荷物の出し入れにも不便。リアゲートはいちいちガラスを下げなきゃ開けられない。そのたびに運転席の開閉スイッチを操作しに戻るか、キーを抜いてこなけりゃならないので、面倒なことこの上ない。しかし、このボディーデザインは、こういった面倒な仕掛けや構造なしには生まれ得なかった。ビッグチェロキーは、イメージやカッコ良さを犠牲にしてまで、便利さや快適さ、他人を喜ばせる4×4を作ろうとはしなかった「良き時代」の4×4だった。

クロームメッキのグリルが上級グレード・ラレードの証。取材車にはウォーンウインチとスチールバンパーが装着されていた。

ルーフラックは単なる飾りではなく、荷物を載せるためのホンモノ。ルーフを傷つけないためのモールも備わる。

フロントのリーフスプリングはアンダースラング式。取材車は車高アップのためハイキャンバーリーフに交換されていた。

リアサスはオーバースラング式。フロントサスと高さを合わせるため、リーフとアクスルの間にブロックを挟んで2インチアップ。

グローブボックスが中央に配置されるダッシュボード。コラムシフトのAT仕様で、ハンドルは革巻き。

リアシートもワゴニア用。チェロキーとワゴニアは共通部分が多く、シートも互換性があるので無加工で交換できるのだ。

チェロキーに本革シートのオプション設定はなかったが、取材車は当時のワゴニア用本革シートに換装されていた。
SPECIFICATIONS
- 車名/年式: ジープ・チェロキー ラレード/1981年
- 全長×全幅×全高: 4,661 × 2,004 × 1,717mm
- ホイールベース: 2,761mm
- トレッド: 前/1,661mm 後/1,582mm
- 最低地上高: 195mm
- 車両重量: 1,700kg
- 乗車定員: 5名
- 形式: 水冷V型8気筒OHV
- 総排気量: 5,899cc
- 内径×行程: 103.6 × 87.4mm
- 圧縮比: 8.25:1
- 最高出力: 129PS/3,700rpm
- 最大トルク: 33.9kg-m/1,600rpm
- 燃料/タンク容量: 無鉛レギュラーガソリン/76.8L
- トランスミッション形式: 3速AT
- 変速比: 1 速:2.45 / 2 速:1.45 / 3 速:1.0 / 後退: ー
- 駆動方式: パートタイム4×4
- 副変速比: Hi : 1.00 Lo : 2.60
- 最終減速比: 3.31
- ステアリング形式: ラック&ピニオン
- サスペンション 前: リジッドアクスル式リーフスプリング
- サスペンション 後: リジッドアクスル式リーフスプリング
- 主ブレーキ: 前: ベンチレーテッドディスク 後: ドラム
- タイヤサイズ; P225/75R15
- 車両本体価格: US $11,570〜14,174(当時)



