2006年 HISTORIC4x4GRAFFITI掲載

4×4の黎明期を支え、指標となった個性派

軍用あるいは農工用として誕生した4×4達は、さらなる顧客を求めて進化の歩みを止めなかった。
大きく豪華に、よりスパルタンに、さらには新システムを採用するなど、各々独自性を加えながら進化を続けた。

文/竹村吉史(Yoshifumi Takemura)

ウイリスMB(1942年)

全長×全幅×全高:3,359.2 × 1,574.8 × 1,771.7mm
エンジン:水冷直列4気筒サイドバルブガソリン
総排気量:2,199cc
最高出力:54HP/4,000rpm
最大トルク:105ft-lb (14.5kgm) /2,000rpm

誰もが知るジープの元祖「MB」

「ジープ」の源流といえば、アメリカのウイリス社が軍用車として製作したMBが挙げられる。このMBに装備を追加して発売されたのがシビリアン(民生)ジープのCJ-2Aで、現在のラングラーTJやチェロキーの源流となる。つまりMBは現代4×4の原器であり、生産終了後60年を経た現在も、多くのマニアに愛され、大切に保管されている逸品だ。

ジープ コマンド(1972年)

全長×全幅×全高:4,277 × 1,656 × 1,651mm
エンジン:水冷V型8気筒OHVガソリン
総排気量:4,982cc
最高出力:150HP/4,200rpm
最大トルク:33.9kgm/2,500rpm

メーカーとユーザーの温度差で短命に終わった

Jeepのエンブレムを確認しない限り、外観からジープであると判断するのが難しいコマンドは、AMCが「ジープ」の軍用車イメージ払拭を狙って登場させた民生用モデル。しかしジープらしからぬグリルが予想外に不評で、わずか1年で生産が打ち切られてしまった。

ジープワゴニア(1963年)

全長×全幅×全高:4,665 × 1,920 × 1,626mm
エンジン:水冷直列6気筒OHCガソリン
総排気量:3,769cc
最高出力:142PS/4,000rpm
最大トルク:29.0kgm/1,750rpm

アメリカン・パワフルワゴンの誕生

ワゴニアは、ワークジープからファミリージープとして進化した「ウイリス・ステーションワゴン」の後継モデルとして生まれた。斬新なスタイルのフルサイズ・ワゴンは、高級指向4×4という新たな分野を確立し、後のグランドチェロキーやチェロキーにDNAが継承された。

GMC サバーバン(1956年)

全長×全幅×全高:5,026 × 2,024 × 1,924mm
エンジン:水冷直列6気筒OHVガソリン
総排気量:4,420cc
最高出力:130HP/3,600rpm
最大トルク:238ft-lb (32.9kgm) /1,200-2,000rpm

実はロングセラーモデルだったサバーバン

49年というロングセラーを誇るのが、GMCのサバーバン。シリーズ100と呼ばれたピックアップトラックの最小モデルがベースになっているが、全長5m、全幅2mを超えるスタイルは堂々たるもの。RVとしての利用価値も高かったが、同時に価格も高かった。

北京ジープBJ2020SG (1990年)

全長×全幅×全高:4,016 × 1,778 × 1,942mm
エンジン:水冷直列4気筒SOHCガソリン
総排気量:2,464cc
最高出力:106PS/4,800rpm
最大トルク:18.4kgm/3,000rpm

レトロなスタイルで今も現役、中国製ジープ

中国の北京吉普汽車有限公司が作るBJ2020は、1962年に誕生したBJ212の後継モデルで、1990年にフルモデルチェンジが行われた。軍用のソフトトップ車として生まれ、ハードトップなどのバリエーションを加えて民生用に転用されたのは本家ジープと変わらない。

ピンツガウアー 710K (1971年)

全長×全幅×全高:4,175 × 1,760 × 2,045mm
エンジン:空冷直列4気筒OHVガソリン
総排気量:2,499cc
最高出力:87PS/4,000rpm
最大トルク:18.0kgm/2,000rpm

当時1千万円以上、メカもユニークな4×4

オーストリアのシュタイアー・ダイムラー・プフ社によって設計・製造された4×4で、約30か国の軍隊に使用されている。バックボーンシャーシーやスイングアクスルなど、独特なメカを持ち、4×4の710、6×6の712に対し、幌モデルのM、ハードトップのKなどがある。

シトロエン2CV4×4サハラ(1958年)

全長×全幅×全高:3,780 × 1,460 × 1,540mm
エンジン:空冷水平対向2気筒OHVガソリン
総排気量:425cc × 2
最高出力:12.5HP/4,200rpm × 2
最大トルク:2.4kgm/2,500rpm × 2

何とツインエンジン式4×4モデルだったサハラ

ユーモラスなデザインとユニークなメカニズムを持つことから、生産が絶たれた今でも根強い人気を持つシトロエン2CV。その2CVの4×4モデルがサハラ。4×4 といっても、前後独立したエンジンが搭載されるツインエンジンタイプで、マニア垂涎モノになっている。